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新・木偏百樹

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木の名

ねむのき

別名
樹高6~9mになる。北海道南部から、中国、台湾、東南アジア、と広範囲であり、どちらというと南方産樹種である。日当りの良い河岸や雑木林のなかに他 の樹とまじって自生するが、群生することがなく、不思議と孤立している場合が多い。
根瘤菌(こんりゅうきん)と共生するため、土地改良の効果があるとされ、日当たりさえよいとやせ地や乾燥する砂地などにも植えられている。そのため、明治八年、東 京の街路樹として、八重洲町、大手町の街路に植えたが、失敗した。しかし愛知県の荒廃地に砂防用として成功したり、中国では北京城内、天津の河北公 園などは並木として成功した。
万葉集にも歌は三首あるが、字はいずれも合歓木で「ねぶ」となっている。別名や方言はネブ、ネムリノキ系などと、コウカ、コウカンボク、コウコノキ系の2 つが主である。 和名は、新芽が五月中旬頃まで出て来ないので、眠りの木とか、夜に葉がとじて睡眠運動をするのでねむのきと呼ばれる。
「合歓木」の由来は、昔中国で、夫の機嫌が悪い時に、妻がこの花を少量酒に入れると、機嫌がよくなり、円満になったため、一家和合の木と言われたり、 ネムノキを庭に植えると心がなごむ和む、怒りが消えるとも信じられていた。英名は花からつけられ、日本や中国は葉の特徴に目をつけて命名したものであ る。 7月ごろ、ネムノキの花が紅ピンクになると、すぐ夏がくる。エキゾチックで幻想的な美しさがある。葉柄と小葉柄の基にコブがあり、明暗により細胞内の圧 が変わるため、夜になると葉が合わさって閉じる。花は暗くなると咲きだすので、夕刻には両方の動きが見られる。花は上品で甘い香がある。ツボミがほころ ぶこの頃に、この香りを求めて、虫たちが集まる。
昔は、この枝葉で頭を撫でると「早起きになる」とか、体をさすり流す「眠り流し」などの農事信仰が各地にあった。「この花が早く咲く年は作柄がよい」、「こ の花が咲くとアズキあるいはヒエ、アワなどをまく」と各地でこのような農業暦があった。
若葉は五月頃採集し、茹でてから水に浸して十分に苦味をとり、浸し物や混飯用に、また乾燥して保存するなど救荒食料として有用なものであった。
木材としては木が小さいので定まった用途はないが、乾燥や加工は容易で面は美しい。反りが生じやすく耐朽・保存性は低い。やや軽軟であまり強くない 材といえよう。用途は道具の柄、摺木、馬鞍、桶、天秤棒、洋傘の柄、薪炭材で、屋根板、胴丸火鉢、下駄、たんすの前板などもあった。
葉は牧草におとらない良質で、牛馬の餌としたり、枝葉を田にすき込んで肥料にもした。
樹皮を日干しにした合歓皮は駆虫、健胃、鎮静、鎮咳や利尿、強壮にも効果があるという。 この葉を乾燥させ、線香の原料ともされたが、昔は香時計(こうどけい)の香料として使われていた。
ネムノキ属
は世界の熱帯、暖帯に約100種ある、「この木何の木気になる木」というコマーシャルで有名になったのは、ハワイのアメリカネムで、同じ仲間。アメフリノキ 、レインツリー、モンキーポッドとも言われる。この語源は、雨が降る前に葉を閉じるので、雨の予報の意味から。 皇后美智子さま(当時皇太子妃)が作詞された「ねむのきの子守歌」(山本正美作曲)はこの木のイメージを高めた。
アメリカでこの花の蜜をすう小さくてかわいいハチドリをみた。完全に空中に止まっているのにはおどろいた。
学名
Albizia julibrissin
マメ科
ネムノキ属
落葉高木
落葉小高木
雌雄異株
 
英名
Silk Tree,Pink Siris

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