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新・木偏百樹

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木の名

つげ

別名
朝熊黄楊(アサマツゲ)、本黄楊(ホンツゲ)、ツゲ(柘、黄楊)
マツゲ
朝鮮半島、中国、台湾等の東アジアに自生し、日本では東北地方の南部、関東地方以西、伊豆諸島、四国、九州、屋久島の暖地に生育する。特に石灰岩 地や蛇紋岩(じゃもんがん)地の山に多く見られる。昔から御蔵島など伊豆七島、鹿児島県などで植裁が行われ産地としてよく知られていた。庭木、生け垣や盆栽としても 栽培される。
「ツゲ」は次というのが変化したといわれ、葉が次々と密生しているところからという。又、葉を割ってくっつけると(継ぐと)つくという説もある。、私の父は子供の頃、葉を二つに割ってまたひっつけると継げるのでツゲというのだと聞かされ、一生懸命葉を割っては継 ぎ、割っては継ぎをしたという。別名のアサマツゲは三重県朝熊山のものが有名なため。英名box treeは宝石箱などを作るのに適していたことに由来する。 属名もラテン語で箱を意味するブクス。
通常樹高は1~5m。直径は5~10cmだが、大きいものは樹高10m。直径50cmになるものもある。樹幹は直立し、枝条は繁茂、密生する。雌雄異株で3 月~4月に淡黄色の小さな花を枝先や葉腋に群がってつけるが注意しないと気がつかない地味な花である。葉は対生し、倒卵形で、長さ1.5~2cmで光沢の ある厚革質で無毛。葉の先端が小さくへこんでいる。また毒成分が含まれているという。ツゲと間違いやすいのにモチノキ科のイヌツゲがあるが、これは葉 は互生なのですぐにわかる。「イヌツゲ」を花、造園関係では「ツゲ」と呼ぶため、やむなくツゲは「ホンツゲ、マツゲ」といわねばならなくなった。 万葉集にもいくつか詠まれているが、すべて櫛や枕としてである。
比重は0.75から0.95で重硬。年輪はほとんどわからない。心材と辺材の色の違いはほとんどなく、木材の色は黄白色、黄褐色。材は日本産の中で最も緻 密といわれている。加工性はやや困難だが、粘性で狂いが少なく、肌目も細かく耐朽・保存性も高いので彫刻、クリ物には最適の材質である。表面仕上は 至って良好で、磨けば象牙のような光沢が出る。しかしもともと木が大きくならないことや、生長が遅いため高価てある。そのため現在では代用としてタイ産 のアカネ科のシャムツゲも利用されているが、材質ははるかに劣る。
利用用途としては印鑑、将棋駒、算盤玉、数珠の玉、測器具材、根つけの彫刻などの細工物、美術品、寄木、定規、唐木細工、寄木細工・ステッキ、三味線 や琵琶の撥(ばち)、バイオリンの部材としてペグ、テールピース、エンドピン、あご当など、木管楽器・木象嵌の材料として使用されている。特に櫛は堅く美しいこ とから最高級品とされている。大阪貝塚の和泉櫛は現在でも人気ある。
版画の版木としてはシナ、ほお、やまざくらが使われるが、つげは細い線がかけることが特徴で、浮世絵では、やまざくらが主に利用されているが、精密な 細工の必要な部分の顔、手、特に髪の毛や枕絵(春画)の陰毛などの精密な描線の部分はツゲでその部分を埋木し、木口木版の手法で利用した。ヨーロッパでも写真以前の本の挿絵には、ツゲ類 の木口材を使った細密版画が使われていた。。枕絵は、欧米では多色刷木版画として世界最高の技術として非常に評価されていたが日本では最近まで出 版が禁じられていた。また枕(まくら)や総入れ歯に利用され、当時世界でも日本独自の先進技術だったそうである。
学名
Buxus microphylla
ツゲ科
ツゲ属
落葉高木
常緑小高木
雌雄異株
雌雄異株
英名
Boxwood

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