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新・木偏百樹

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木の名

せんだん

別名
アラノキ、あみのき、せんだ、ヒヨノキ
高さ7m、ときには30mにもなる。伊豆半島以西の日本全国、朝鮮、中国などの暖地の海に近い山地に自生しているが、ヒマラヤが原産と言われる。古くが ら植栽されている。センダンは耐塩性、耐潮性、耐風力が強く生長も速い。格好の緑陰樹となるため、街路樹、学校や神社、広い屋敷などに植えられ、昔は 練兵場のまわりによく植えられていた。 古名を「お()うち」といい、『万葉集』には阿布知、安不知、相市などの字で四首の歌に詠まれている。すべて花の散るのを惜しみ、愛する人に逢うに通じる 歌。「あふち」の語源については、「花が藤に似て、上向きに咲くので仰藤の義」の意味かも知れない。 初夏にあわいまれに白花種も見られるが紫色の五弁花を咲かす。遠目には紫雲たなびくかのごとく見えることから「雲見草」の雅名がついた。宮中で5月に 用いる服の色は、この花の淡紫色に由来するという。 実は10月熟して黄色くかがやく、落葉しても吊り下り10月、11月の青空にはえて壮観である。まさに千団子のよう。これがセンダンゴとなり、せんだんになつ たと言われている。この実はヒヨドリが好んで食べる。
万葉時代は5月5日の節句にはショウブやヨモギと共に之のせんだんを軒にさしていたようだが鎌倉時代になると斬罪人の首をさらす木となったので獄門 の木として忌み嫌われるようになったという。
西行法師の「栴檀(センダン)は双葉より芳(かんば)し」将来すぐれた人物になる者は子供の時から秀でている素質があるの意味のことわざだが、このセンダンはインド産のビャクダンのことであ る。インドでは古くから佛教儀礼に香木として使われ、サンスクリット語のチャンダナが、中国に渡来し、ツァンタン、ツェンタンとなり漢音で栴檀(センダン)になった。 日本のセンダンにも少し香りがあって、これを香木の栴檀になぞらえて、「和の栴檀」と呼ばれるようになったのが誤りの元。同じ漢字でありながら、日本と中 国でまったく違う木材である。
木肌はケヤキに似ているためケヤキの模擬材として、材質は軽くて軟らかく、キリの代用としての彫刻、下駄など。寄木細工などの桃色系の色用に用いら れる。馬の鞍に用いた地方もある。白蟻には強い。音響的特性がよいことから、木魚、筑前琵琶の胴などに使われている。 東予市楠六軒家にある栴檀寺の名の由来は、本尊の薬師像がセンダンで作られているためと言われている。
大阪の淀屋橋東に栴檀木橋という名の橋あり。たもとに一本のセンダンの木がある。近松の『女殺し油地獄』の与兵衛が、お吉を殺した凶器の脇差を川に 捨てた場所。
学名
Melia azedarach
せんだん科
センダン属
落葉高木
雌雄異株
 
英名
Japanese Bead tree、China tree、China berry、Persian lilac

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